東野圭吾の傑作『白夜行』。
この本を読み終えたあと、しばらく心がざわついた。
物語の冒頭は、ある殺人事件。
だがこれは単なる謎解きの物語ではなく、罪と嘘、そして「生き延びること」そのものを問い続ける壮絶な人間ドラマだ。
主人公は、少年・桐原亮司と少女・西本雪穂。
二人は、ある事件をきっかけに「共犯ではない共犯者」として、それぞれの方法で闇の中を生きていく。
なぜ読者は彼らに惹かれるのか?
読者として彼らを「好き」になることはない。
それなのに、なぜかページをめくる手が止まらない。
ふたりの行動には、常に冷たさと計算がある。
でもそこに、“親からの愛を知らず、それでも誰かに認められたい”という人間の根源的な欲求が透けて見えるのだ。
それが、読者の心をえぐる。
「白夜」とは、何を意味していたのか
タイトルにある「白夜」とは、夜なのに明るい、でも太陽は決して昇らない――そんな世界。
ふたりの人生は、まさにその「白夜」のよう。
太陽のような温もりも、夜のような安らぎもない。
それでも、生きるしかなかった。
読み終えたあと、光のない人生の中でも、なお何かを信じようとする姿が感慨深い。
こんな人におすすめ
- 東野圭吾作品を初めて読む人
- 謎解きよりも、人間の内面に迫る物語が好きな人
- 「正しさ」とは何かを問い直したい人
一言まとめ
誰かを救いたいと思ったことがあるなら、
『白夜行』はあなたにとって“痛いけれど忘れられない一冊”になる。
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