1. はじめに
未来、太陽を信じるひとつの人工知能がいました――。
『クララとお日さま』は、人間のように“観察し、信じ、祈る”ことができるAI「クララ」の目を通して、「人間とは何か」が静かに問われる物語です。
2. あらすじ(ネタバレなし)
クララは、子どもに寄り添う“AF(Artificial Friend)”と呼ばれるAI。
ショーウィンドウ越しに外の世界を見ながら、太陽の力に特別な意味を見出しています。
ある日、病弱な少女ジョジーに選ばれ、彼女の家族と暮らし始めますが――
その先に待っていたのは、“希望”と“喪失”が絡み合う数奇な運命でした。
3. 心に残ったこと
🌞「太陽は救いをくれる」
クララは太陽を「癒し」や「願いを叶える存在」として信じます。
それは人間が宗教に抱く祈りにも似ていて、読んでいて胸がぎゅっとなりました。
💬「心があるって、どういうこと?」
クララの観察はとても鋭く、時に人間よりも“人間らしい”。
でもそれは「感情」ではなく「プログラムされた理解」なのか?
読めば読むほど、クララと自分の境界が曖昧になっていく感覚がありました。
4. 読後の余韻
静かで、でも確かに“胸をつかむ”物語。
優しさって、人間だけの特権なんだろうか?
機械であっても、他者を想い、行動できるなら、それは“心”じゃないのか。
読後には、そんな問いがずっと残ります。
5. こんな人におすすめ
- 「人間とは何か」を考えるのが好きな人
- 静かで丁寧な物語が好きな人
- AIと共生する未来に興味がある人
6. 関連リンク
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