「ほんとうに大切なことは、言葉にならないのかもしれない」
――でも、それでも、伝えたい。
2025年本屋大賞1位作
『カフネ』は、
“触れられなかった想い”に、
そっと手を差し伸べてくれる物語でした。
📖 あらすじ(ネタバレなし)
舞台は、小さな港町。
バス運転手として働くミツキは、過去の喪失に心を閉ざして生きていた。
そこへ現れたのは、旅人のような女性・リオ。
彼女の存在が、町にもミツキにも、
少しずつ変化をもたらしていく。
タイトルの「カフネ」は、
ポルトガル語で「愛する人の髪を撫でる仕草」。
その意味が、読後にじんわり染みてくる一冊です。
💭 感想:やさしさに触れて、心温まる
読んでいて、何度も胸がつまる。
けれど同時に、言葉にできないほどあたたかい。
そんな読後感でした。
- 「うまく伝えられなかった過去がある人」
- 「誰かを許せなかった自分がいる人」
- 「今、孤独を感じている人」
この物語は、そんな人の隣にそっと座ってくれるようなやさしさがあります。
特に後半――
“触れられなかった想い”が重なるシーンでは、
自然と涙が流れていました。
📚 2025年本屋大賞ノミネートの理由、わかります
物語の派手さはない。
でも、「人の心の奥」にある微細な揺れや、ぬくもりを、
ここまで丁寧に描ける阿部さんはすごい。
カフネは、派手ではない分、**“静かな傑作”**として
読者の心をじっくりと掴んできます。
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🛒 書籍情報・リンク
📙 書名:カフネ
✍️ 著者:阿部暁子
🏆 2025年 本屋大賞1位作品
カフネ [ 阿部 暁子 ] 価格:1,870円(税込、送料無料) (2025/6/19時点) |
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